①受給中の障害年金の更新で注意することは?

質問:現在、障害年金を受給してます。更新に当たって気を付けるべきことは何でしょうか?
回答:医師に状況をきちんと伝えることが大切です。
初めに障害年金の申請をしたときと同じように、病状等を正確に医師に伝えることが大切です。最初に申請をしてから時間が経っていたりすると、担当医が変わっていることもあります。
 過去に作ってもらった診断書のコピーがあれば、それを医師に確認頂くなどして、病状についてお伝えしましょう。

②働きながら障害年金をもらえますか?

質問:障害年金は働いていてももらうことができますか?
回答:はい、もらうことができます。

働きながら障害年金を受給することは可能です。
厚生労働省の「令和元年障害年金受給者実態調査」によると、障害年金を受給している方のうち就労している方は、約34%となっております。

ただし、障害の種類によっては審査に影響することもあります。
例えば肢体等の外部障害は、その状態や程度が数値で表されることがありますが、そのような場合は一定の基準を満たしていれば実際に働いているか否かに関わらず障害年金を受給できるケースが多いようです。
一方、うつ病等、数値で表しにくい精神の障害等の場合は、働いていることにより障害の程度が軽いと判断されることもあります。
しかし、どのような働き方かによって、例えばフルタイムで毎日働くのは難しいが、週に数回、数時間、周囲のサポートを受けながら、等であれば障害年金を受給できる可能性は十分あります。

実際どのように働いているのか、働くうえでどのようなことに困っているのかを客観的、具体的に申立書に示すことが大切です。

③障害者手帳を持っていないと障害年金はもらえないのですか?

質問:障害者手帳を持っていないのですが、障害年金はもらえないのでしょうか?
回答:障害年金と障害者手帳は、関係ありません

よく、障害者手帳の級が〇級だから、障害年金も同じ〇級がもらえますか?

といったご質問を頂きますが、障害者手帳と障害年金は、直接は関係がありません。

障害者手帳の級と障害年金の級もつながりや関係はありません。

ですので、障害者手帳を持っているが障害年金を受給できないケースもありますし、逆に障害者手帳を持っていないけれど障害年金を受給している方もいらっしゃいます。

当事務所では、障害年金だけではなく、障害者手帳の取得サポートも行っております。

④年金の保険料を払っていないのですが、障害年金は受給できませんか?

質問:国民年金の保険料を1年間滞納していますが、障害年金は申請できますか?
回答:保険料の納付要件を確認する必要があります。

障害年金が受給できるかどうかの要件のひとつに、「保険料納付要件」というものがあります。

(1)初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせた期間が2/3以上であること。

この(1)を満たさない場合でも、

(2)初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに、保険料納付済期間と保険料免除期間以外の期間(滞納期間)がないこと。

この(2)の要件を満たせば、保険料納付要件はクリアしています。

大事なポイントとして、保険料が「免除」されているのか?、それとも「滞納」なのか?ということがあります。
本来、払わないといけない保険料を払わずに、何もせずほったらかしていたら「滞納」となり、障害年金を受給するための要件の期間には含まれません。

ですので、例えば経済的な事情等で保険料を払うことができないときは、保険料免除の手続きをすることがとても大事です。
これは障害年金だけではなく、老齢年金にも言えることです。

ご自身の保険料納付状況の確認などご不明な点などございましたら、遠慮なくご相談ください。

⑤失業保険をもらいながら、障害年金はもらえますか?

質問:失業保険を受給していますが、障害年金も受給できるのですか?
回答:失業保険を受給していても、障害年金の受給は可能です。
 失業保険(基本手当)は雇用保険の制度です。働く意思や能力があるのに就職できない(失業の状態)方に支給されるものです。
 失業保険は失業という状態に対し支給されるものであるのに対し、障害年金は障害によって日常生活が困難であるという状況に対して支給されるものです。
 つまり、それぞれの制度の趣旨が異なりますので、両方を受給することは可能です。

⑥障害年金をもらっていることを周りに人に知られませんか?

質問:障害年金をもらっていることを周りの人に知られませんか?
回答:知られることはありません。

障害年金を受給していること、あるいは申請手続きの準備をしていること等を周りの人に知られるとはありません。

例えば、障害年金の手続きをするうえで、過去の病歴や現在の生活状況をお話しいただく必要がありますが、ご自身の病状が悪く、ご本人に対応頂くことが難しい場合は、ご家族の方にご協力いただいた方がよいケースもあります。

そのような場合を除き、ご自身で言わない限り、周りの人に知られることはありません。

ご質問が多いのが、勤め先に知られることはないか?ということですが、年金事務所から会社に問い合わせ等があることもありませんし、例えば年末調整のときに会社にわかるということもありません。  

⑦障害の状態が軽い場合は何も受給できないのでしょうか?

質問:障害の状態や程度が、1級、2級、3級(障害厚生年金のみ)にも該当しない場合には、何も受給できないのでしょうか?
回答:障害手当金を受給できる場合があります。

「障害手当金」とは、障害の状態や程度が障害厚生年金3級に達しない場合に、年金ではなく一時金として支給されるものです。

初診日に厚生年金に加入していることが必要で、初診日から5年以内に障害が「治った」場合(症状固定した状態も含む)に、その治った(症状固定)日から5年以内に請求する必要があります。

受給額は、3級の障害厚生年金の2年分で、最低保障額が現在約115万円です。

⑧自分の病気で障害年金がもらえるでしょうか?

質問:指定難病で治療中ですが、障害年金は受給できるのでしょうか?
回答:病名だけで決まるわけではありません

障害年金が受給できるかどうかは、病名や病気やケガの種類等だけで判断されるわけではありません。

国民年金(厚生年金)の保険料の納付状況にもよりますし、病気やケガの状態(程度)、それらの病気やケガが日常生活にどのような影響があるか、どのくらい不便な点があるかを総合的に判断されて、受給できるかどうか、受給できる場合は等級(1級~3級)が決まります。

⑨相談するのに費用はかかりますか?

質問:障害年金のことで相談したいのですが費用はかかりますか?
回答:いいえ、相談は無料で承ります。

当事務所では、無料で障害年金に関する相談業務を行っております。

今の自分の病気や障害の状態で受給できる見込みがあるのか?
受給できるとしたらいくらぐらいになるのか?
など、ご不明な点についてお問合せください。

相談は、面談、電話、メール、LINEなど、お客さまのご都合のよい方法をご指定ください。

⑩傷病手当金をもらっていても障害年金の申請はできますか?

質問:傷病手当金を受給しているのですが、障害年金ももらうことはできますか?
回答:同一の傷病か否か、障害基礎年金か障害厚生かによって異なります。

傷病手当金は健康保険の制度で、療養のため労務に服することができないとき、支給開始から1年6カ月を限度に支給されるものです。
この傷病手当金と障害年金の関係は以下のようになっています。

(1)障害「厚生」年金を受給している人が、同一の傷病により傷病手当金を受給できるときは、障害厚生年金が優先支給され、傷病手当金は支給停止されます。

(2)ただし、受給する障害厚生年金の額(障害基礎年金の支給を受けることができるときは、障害厚生年金の額と障害基礎年金の額との合計額)を360で除して得た額が傷病手当金の1日当たりの額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。

(3)障害「基礎」年金と傷病手当金は、同一の傷病であっても両方が支給されます。

(4)障害年金と傷病手当金の支給事由が異なる(同一傷病でない)場合は、両方が支給されます。

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⑪子供の頃の病気で障害年金が受給できるでしょうか?

質問:子供の頃に発症して今も病気が続いているのですが障害年金は受給できますか?
回答:20歳前障害による請求を行います。
 20歳前の年金に未加入であった期間に初診日のある傷病により一定の障害の状態にある方が、20歳に達した日(障害認定日が20歳以降の場合はその障害認定日)に障害等級の2級以上に該当する場合に、障害年金を受給することができます。
 この場合、年金加入は原則20歳からなので、20歳前障害の場合は、保険料納付要件は問われません。
 また、20歳前障害の障害年金は、本人の所得が一定額を超える場合、その年の8月から翌年の7月まで、その全額又は2分の1相当額が停止されます。
 20前障害の申請において難しい点は、初診日が幼少時にあるなど、時間が相当経過しており、初診日の証明(受診状況等証明書)を取得するのが困難であることです。